【VGC2019】重力催眠ルナアーラグラードン
このptの記事を書こうと思った理由は、お気に入りの構築であるということと、WCSも終了し1区切りで筆を執るには丁度いい機会だと思ったからです。
一緒にptの選出・立ち回りを考察してくれたみんてぃあさん(@ mintia0810)・死神くん(@nomekop_umirug)の両名に感謝します。本当にありがとうございました。
成績
おの(@onodyna)が 最終レート1826 24位 PJCS2019出場権利獲得
みんてぃあさん(@mintia0810)が 最終レート1821 32位 同上
死神くん(@nomekop_umirug)が 最高レート1803
【パーティの構築経緯・変遷】
4月冒頭、PJCSの予選のptを考えた際、自分が予選に持っていくptの条件として
①参加賞の色違いのカプ・レヒレを求めて参加する人数が増えるので参加賞目的の人に負けない構築→自分の行動を押し付けるptであること
②2ロム分(45×2)の90戦を消化することも考慮してプレイングの難易度が高くない・複雑でないptであること
③環境メタの要素も含んでいるptであること
の3点があり、環境に存在する様々なptを触っていきました。
4月当初
(Ⅰ)
初期はメガゲンガー+カプ・テテフで「重力催眠」のコンボを決めるptを考察するものの、
・重力催眠のコンボを成立させた後に重力を選択した拘りスカーフ持ちのカプ・テテフが交代せざるを得ない状況が発生する
・重力催眠のコンボを決めた後の動きのS操作もゲンガーの凍える風かトリックルームしかなく、眠らせた後の動きがあまり強くない
という点で触感としてはあまりいいものではありませんでした。
しかし
やはりサンシリーズの自身の経験からも「重力+催眠術+断崖の剣」のコンボがウルトラシリーズでも強力であるということは確信していました。
4月頭‐中旬
このままだとPJCS予選に完成度の低いptを持ち込んでしまう事を懸念し焦っていた時にサークルの友人である死神くんから強い並びがあるとのことで並びを教えてもらいました。
死神くんから並びを教えてもらった当初のptの並びとしては
(Ⅱ)
これまたいわゆる「重力催眠」のコンボをコンセプトにしたptでした。
この時点でptの完成度はかなり高く、追い風後にボーマンダとグラードンの並びでハイパーボイス+断崖の剣を連打して勝ちの盤面を作りやすく、重力催眠の要素を除いたとしても相当なパワーがあると感じ、ptに採用されているポケモン一体ずつの役割などを再検討しながらこれを練っていくことに決めました。
(Ⅰ) のptと異なる点・より良い点としては
・S操作・催眠術役が高火力専用Z技を持つルナアーラ
・重力役が気合の襷を持ったカプ・テテフなので拘りスカーフ持ちと違って重力を選択した後でも交代せずに攻撃に参加できる
・ウツロイドがスタンダードな構築に対してめっぽう強い
(Ⅰ) と同様に「重力+催眠+断崖の剣」コンボが決まった際のptパワーはかなり高いと感じました。さらにS操技が追い風なのでこちらのゲンシグラードンが相手の上を取って断崖の剣を打つ機会がより増えました。
これらを踏まえてこのptの課題として捉えた点が
・ヤミラミが採用されていることによって「重力+催眠術」のコンボが対戦相手に考慮されやすくなってしまう
・ルナアーラとカプ・テテフの並びで「重力+催眠術」のコンボを行う為にルナアーラのSを最速カプ・テテフより遅くしているのでルナアーラのミラーにおいて不利を取ってしまう
以上の2点が大きな問題として挙げられました。
特に前者の1つ目に関しては、ptの太い勝ち筋である重力+催眠術のコンボに関わる事なので、ヤミラミの1枠を再考することに決めました。
4月中旬‐
そもそもヤミヤミは基本選出の4体では勝てないルナアーラ+ドーブルの並びに対抗するためのポケモンでした。
相手のに対して
こちらはから入り
初ターン「守る+挑発ドーブル方向」
でこちらのルナアーラが強引に相手のルナアーラを突破するプランでした。
これに近い仕事が出来るポケモンとして
アローラペルシアンのイカサマ・バークアウト・Z捨て台詞・先送りは非常に魅力的だったのですが、ルナアーラと同居しがちなゼルネアスに対して不利を取ることなどがひっかかり不採用となりました。
・ドーブルが襷を所持していても親子愛で貫通できる
・ルナアーラに肝っ玉猫だましを打つ選択肢がある
・噛み付くの50%怯みでゲームの流れを無理やり引き寄せれる可能性がある
・ペルシアンほどゼルネアスに不利を取らない
などの理由から選択しました。
(Ⅲ) 完成
問題点の1つ目で
・ヤミラミが採用されていることによって「重力+催眠術」のコンボが対戦相手に考慮されやすくなってしまう
ということに関しては、ガルーラを採用してルナアーラドーブルの並びを崩しにかかるというプランを取ることによってスムーズにptからヤミラミが抜け、ある程度は解決できました。
問題点の2つ目として挙げていた
・ルナアーラとカプ・テテフの並びで「重力+催眠術」のコンボを行う為にルナアーラのSを最速カプ・テテフ-1まで下げているのでルナアーラのミラーにおいて不利を取ってしまう
については、上記の流れで採用したメガガルーラと「サイドチェンジを覚えたカプ・テテフ」で初見殺しを狙うことによって無理やりの解決を試みました。
【個別解説】
臆病 221-×-124-171-128-158
シャドーレイ/催眠術/追い風/吠える
ptコンセプトのポケモンです。ある程度の素早さ・火力・耐久の全てを兼ね備えている上に追い風・トリックルームのS操作技も覚える器用すぎるポケモン。ファントムガードの耐久を盾にしながら催眠術で相手を止めたり追い風を張ったり役割が多いです。
B
・A255メガレックウザのこだわりハチマキかみくだく確定耐え
・A142ミミッキュのゴーストZ確定耐え
C
・H175-D111ゲンシグラードンをムーンライトブラスターで高乱数1発(93.7%)
・H164-D119霊獣ランドロスをムーンライトブラスターで高乱数1発(93.7%)
D
・C222カイオーガの無天候しおふき+メガレックウザのA255ガリョウテンセイを約76%で耐え
S
・最速91族(霊獣ランドロス)抜き
‐ルナアーラZ 後述するウツロイドもZを所持しているので、同時選出している場合は、どちらのZ技を切るかしっかりと考える必要があります。専用Z技兼ゴーストタイプなので高火力を出しつつ一貫性を取りやすい点も強力です。ルナアーラのミラーが発生したときは後述のカプ・テテフと併せて相手のルナアーラの処理に向かいます。
- シャドーレイ ルナアーラZの元になる技です。特性貫通の威力100がシンプルに強い。マルチスケイルは貫通しますがルナアーラのファントムガードは貫通しないので気を付けましょう。
- 催眠術 「重力+催眠術」のコンボが強力です。実質守るみたいな使い方もでき、ルナアーラと隣のポケモンの集中で相手のポケモンを倒せなさそうなときに1ターン止めてダメージ稼げるのが強いです。相手を眠らせている隙にグラードンを着地させるときは最速起きされないように祈ります。やんちゃして素催眠も打ったりもしました。
- 追い風 後ろのポケモンへの繋ぎの技。相手にも追い風できそうなポケモンがいるときには催眠術で眠らせて処理してから追い風を選択するが理想的な展開です。
- 吠える 相手のゼルネアスに吠えたり、ルナアーラの追い風に対して出てきてトリックルームによる切り返しの展開を狙ってそうなポケモンに対しても吠えたりしました。追い風中のトリックルームの切り返しを許さない点が優秀です。
①ルナアーラの上の技3つを見た時点で対戦相手はルナアーラの残りの技スペースを「サイコショック」か「守る」のどちらかを考慮するので「吠える」がほとんど読まれない点
②PJCSの予選で最も数が多いであろうと予想されるレックゼルネ等の相手のゼルネアスに対して後述のウツロイドと併せてより初見狩り的な立ち回りができる点
の以上2点から「吠える」を採用しました。
ルナアーラの性質上、集中攻撃も飛んできやすく、守るも採用したいと感じる場面も少なくはなかったのですが、今回のptに関しては柔軟に動く為の守るよりも、ルナアーラと対面してジオコントロールを選択しがちなゼルネアスを安全に流せる吠えるの方が勝利につながる対戦は多いと感じました。
グラードン@紅色の玉
意地っ張り 175-255-180-×-111-142
断崖の剣/炎のパンチ/身代わり/守る
このptのエース的立ち位置のポケモンです。「重力+追い風」のお膳立てができている状態で着地すると止まらなくなります。配分については、攻撃的な配分のグラードンで耐えたい相手の技も見つからず、追い風下で1体でも多く相手のポケモンを倒してくれそうなASに振り切った形としました。
‐紅色の玉 グラードンミラーで有利という点、対戦の早い段階からゲンシグラードンが盤面に登場する事が多いptなので最終的にカイオーガレックウザに対して天候が取り切れないという点から鉢巻グラードンでの採用も考えてた時期もありましたが、数的有利を取った後ゲンシグラードンの終盤のカイオーガに対する詰め性能の高さと技の打ち分け(追い風中に身代わりが選択できる)ができるという点が捨てきれずゲンシグラードンでの採用です。PJCS本戦では鉢巻グラードン型の重力催眠ルナアーラグラードンが結果を残していたようです。
- 断崖の剣 重力がある時はボーマンダでさえ受け出しが効かないので、スタンダードなptに採用されている大概のポケモンは重力断崖を2回耐えることすら難しい技です。
- 炎のパンチ 晴れ下で威力の高い命中安定技になります。ゼルネアスに対して詰めの時によく使います。
- 身代わり テクりポイントその1。追い風最終ターンなどの場面で相手の両守るが見えたときに選択します。身代わりを置くことによって相手の裏のガオガエン・ボーマンダの威嚇がシャットアウトできるのも強いです。また、相手のカプ・レヒレの凍える風に合わせて身代りを選択すると身代わりが残るので断崖の剣を打つチャンスを多く作れて有利な展開にしやすいです。最近のカプ・レヒレは熱湯持ちであることが多いので油断はできませんがそれでも強力な技です。
‐ 守る 終盤にグラードン・ボーマンダが並んだ際にグラードンが守りながらボーマンダで追い風を選択する行動をしたい時があるので守るを採用しました。
カプ・テテフ@気合の襷
臆病 145-×-96-182-135-161
ptコンセプトのポケモン。ルナアーラと一緒に先発で出すことがほとんどです。特性のサイコフィールドでレックウザの神速を止めれるため、オーガレックに対しては後発で選出したりもします。気合の襷を持たせているため集中で倒されてしまわない限りはほぼ確実に重力を選択でき、重力をしない場合でも単純な殴り合いにはかなり強いポケモンです。
‐気合の襷 単体性能がかなり上がります。サイコシードなども試したりもしましたが本来の重力の遂行はもちろん、レックウザやボーマンダに勝てるようになるため気合の襷の一択だと感じました。
‐ ムーンフォース レックウザ・ボーマンダへの打点であることは言うまでもないのですが、グラードンに威嚇が入ってしまうとのダブルダメージ断崖の剣でガオガエンが倒せなくなってしまうためガオガエンに対する削りとしてもかなり優秀です。
-サイコショック 相手のジオコントロールゼルネアスに対して大きく削りを入れられるのが魅力的です。この技スペースについては再考の余地があります。
- 重力 ptコンセプトになっている技。ルナアーラ・グラードンの両伝説と相性がいいです。重力で自分のボーマンダが地面に接地することによって相手のレックウザの神速をシャットアウトできるのでお得です。
- サイドチェンジ 初見殺しです。こちらのルナアーラが最速でない関係上ルナアーラミラーに自信がないのでサイドチェンジ+シャドーレイZで無理矢理誤魔化します。相手のガルーラに対してもカプ・テテフ方向に飛んできている捨て身タックルをルナアーラで避けたり、ルナアーラに飛んできている噛み付く・噛み砕くに対してもカプ・テテフで受けれてルナアーラが残したりもでき、使い所も多く非常に強い技です。
無邪気 171-179-160-153-99-184
ハイパーボイス/捨て身タックル/追い風/守る
pt4枠目兼メガ枠についてはグラードンと相性が良く2回目の追い風を選択したりハイパーボイスによるスイーパー的な役割も任せられるボーマンダを採用しました。このポケモンにレックウザの処理を頼っているところがあるので対オーガレックでは丁寧に扱いたいポケモンです。ボーマンダミラーにおいては決して強い型であるとは言えない型なので、相手のグラゼルネのボーマンダの流星群でこちらのボーマンダが倒されてしまうことによって厳しい立ち回りを強いられることが多々ありました。
・H181-B120メガレックウザ Bランク−1をすてみタックルで確定1発
B
・非メガ時A232のメガレックウザのガリョウテンセイを確定耐え
・非メガ時A255メガレックウザの-1ガリョウテンセイ+メガ時-1しんそくを耐え
S
・最速115族抜き
‐ハイパーボイス グラードンと並んでいるときにハイパーボイスで相手のポケモンを2体倒しながらグラードンで身代わりを残すのがオシャレで強いです。
‐捨て身タックル カイオーガや画竜点睛を使ったレックウザやゼルネアスに対して使います。
- 追い風 2度目の追い風が強いです。追い風する必要があるかどうかちゃんと見極める必要があります。
- 守る 体感としては守れた方が嬉しい場面が多いように感じました。もし守るを採用しないなら水びたしヌケニンに負けなくなる毒々も面白いと思います。
【PJCS時】
守るではなく、グラードンの障壁になりがちな相手のレックウザやボーマンダを楽に対処できる流星群を採用していました。
PJCS当日は一度も流星群を選択することもなく守るが欲しいと感じる場面が多々ありました。
ウツロイド@イワZ
臆病 185-×-67-179-151-170
パワージェム/ヘドロ爆弾/身代わり/守る
4枠が決まった時点でイベルタルの処理が厳しいので強く出れるポケモンが必要という点と重力催眠を防ぐカプ・レヒレ入りに対して強く出れるという点から採用しました。ムーン環境の頃から長い期間環境に刺さり続け、PJCS当時の環境に存在していたレックゼルネなどのスタンダードなptにも刺さっていたポケモンです。岩と毒の範囲が優秀でカプ・レヒレとガオガエンとゼルネアスを中心にしたスタンパにかなり強く出れます。ジオコントロールを吠えて流して再度後発から出てくるゼルネアスに対しての詰め筋にもなるのでボーマンダと同様に丁寧に扱いたいポケモンの一体です。持ち物がイワZである理由はグラードンに威嚇を入れるガオガエンをワンパンする事を目指してるのと採用理由の通り、ルナアーラグラードンでは処理が難しいイベルタル入りに選出するためです。
- パワージェム ガオガエンやボーマンダに対して選択するイワZの元技です。ゲンシグラードンに炎タイプ追加されたので岩タイプが等倍のゲンシグラードンにもかなりイワZのダメージが入ります。
- ヘドロ爆弾 フェアリータイプへの役割遂行技です。ガオガエンにイワZを当てて倒してBBが発動するとゼルネアスも一撃で処理できるようになります。
- 身代わり ウツロイドの身代わりもゲンシグラードンと同じく強力で、相手がカプ・レヒレの隣のポケモンを守らせながら凍える風を選択して縛り関係を逆転させることを狙ってそうなターンに合わせて身代りを選択することで凍える風のSダウンを避けながら次のターンも縛り関係を維持できる盤面が作れます。
- 守る 倒れやすいポケモンであるということと追い風+守るの動きがしたかったので守るを採用しました。身代わりが残っている状態で押す守るも強いです。
【PJCS時】
PJCSではウツロイドの持ち物はイワZではなく、ドクZを採用しました。
理由としては
①海外環境の影響でウツロイドのイワZがメジャーになりつつあったのでドクZは読まれにくいと考えた
②PJCSのインターネット予選終了後から水タイプの技(ねっとう・ハイドロポンプの水Z)を所持しているカプ・レヒレが体感として増えてきたのでグラードンと対面する前になるべく迅速にカプ・レヒレを処理したい
2つで、
PJCS当日ではメタ対象であったレックゼルネとマッチングすることがなかったので選出回数は0回です。ドクZへの変更が正しかったのかどうかは未だにわかりません。
ガルーラ@ガルーラナイト
陽気 181-177-120-×-120-167
捨て身タックル/噛み付く/猫だまし/身代わり
pt的にはヤミラミの代わりに最後に採用されたポケモン。仮想敵と全くマッチングせず、PJCSインターネット予選で選出した試合は6匹ミラーとシングル勢のゲッコウガを猫だましで止めるときだけに選出しました。
- 捨て身タックル ドーブルやゼルネアスの上から捨て身タックルを叩き入れる予定でした。
- 噛み付く 50%で不利なところもバグらせて勝つ予定でした。
- 猫だまし 猫追い風からスタートして捨て身アグロする予定でした。
- 身代わり ドーブル入りに対して身代わりが強い予定でした。
【PJCS時】
ドーブル@拘りスカーフ 特性:ムラっ気
ガルーラが選出回数も恵まれずいまいちハマっている感覚がなかったので変更。
ルナアーラミラーに強く出れると考えてドーブルを採用しました。
「ハロウィン」で相手のポケモンにゴーストタイプを付与させてルナアーラのシャドーレイで全部倒すみたいなことも考えてました。
死神くんに個体の準備してもらいました。ドーブル決勝トーナメント連れていけなくてごめんね。
PJCS本戦では2回選出して選出した対戦はどちらも活躍してくれました。
【選出】
①カプ・レヒレが採用されているスタンダードなptの場合( or)
⇒
ルナアーラとウツロイドの対応力が非常に高いので基本的には相手の先発を見て動きを決めます。
例)で凍える風からスタートしてきそうな時には
追い風→交代 で追い風下でグラードンがほぼ無償で着地できるといった行動が取れます。
前述のとおりウツロイドがスタンダードなptに対して強く出れるので大切に扱うことを心がけます。
②カプ・レヒレが採用されていないptの場合()
⇒
基本的には眠らせれれば無理やり有利が取れるはずなので追い風・重力の状況下でのグラードンの着地を目指します。
例)
T1:追い風攻撃
T2:催眠術重力(相手の攻撃で倒される)
T3:
が理想的な展開です。
雑感
コンセプト通りインターネット大会向きのptを組めたと思います。たくさんの思い出が詰まってるptの記事を書けて良かったです。それでも幕張のライブ大会で世界大会の権利を獲得できなかったのが心残りです。自分の思ってた数倍はおわり会場大会が楽しかったのでまた来年も参加できるように頑張ります。
おわり